栄養バランスを考える

しなやかな骨を育むキャットフード

成長期の子猫に十分な栄養が行き届かないと、成長が妨げられることで骨が弱くなり、骨が曲がったり折れたりしやすくなる“クル病(成猫の場合は、骨軟化症)”になる可能性があります。
骨が弱くなると、走り回たり通常の運動をすることが困難になり、健康的な生活を過ごすことができなくなります。
骨の形成が上手くできない原因に、カルシウムやリンなどのミネラル類、ビタミンDなどの栄養素が不足していることがあげられます。
体重1キロあたりの猫のカルシウム必要量は、人間の約20倍とも言われているのです。

それでは、骨を健康にするためにカルシウム、リン、ビタミンDにはどのような役割があるのかを少しご紹介します。

■ カルシウム
筋肉や神経を正常に働かせるために、血液の中には一定の量のカルシウムが循環しています。
カルシウムの摂取が不足して血中のカルシウム濃度が減ると、骨を溶かして血液にカルシウムを供給しようと働くため骨が弱くなるのです。

■ リン
骨や歯を作る重要な成分のひとつです。
リンが不足すると疲れやすくなります。

■ ビタミンD
カルシウムを体内に摂取するために、ビタミンDは大切な働きをします。
吸収効率の悪いカルシウムはビタミンDが足りないと上手く摂取されないのです。
ミネラルが豊富な食品には、肉、魚、レバー、乳製品、穀類などがあげられます。

しかし、ミネラルには吸収されづらい性質があるため、過剰にミネラルを摂取すると逆に体調を崩す恐れもあります。
猫がミネラルを摂取する場合は、バランスがとても大切になります。
特にカルシウムとリンのバランスが重要で、カルシウムをリンの約1.5倍の比率で摂取する必要があります。

そして、精肉や穀物の場合、カルシウムよりもリンの割合が非常に大きいので、バランスを保つためには骨や小魚チーズなどの他の食品でカルシウムをとる必要があるのです。
また、ミネラルとビタミンのバランスが悪くなると、体内に尿結石ができて排尿を阻害することでオシッコが出なくなることがあります。
症状が悪化すると全身に毒素がまわって死亡することもあるのです。
つまり、健康な骨を育てるためには、ビタミンやミネラルが猫に合わせた割合でバランス良く配合されていることが大切です。
ビタミンやミネラルを豊富に含み、栄養バランスのとれた総合栄養食をあたえるように心がけましょう。